SOLA TODAY Vol.797
ボクは電子書籍も紙の本も読む。情報を得るという意味では同じだけれど、やはりどこか感覚がちがう。
実際にページを繰ることができる紙の本には、なんとも言えない魅力を感じる。紙の持っている質感が、書かれている内容の質を担保してくれているように思えるのかもしれない。
今だに紙の新聞を好んで読む人は、そんな感覚を手放せないのだろう。
新聞の購読数が大きく減っているのは、これまで何度も報道されている。ボクも10年前に京都から神戸へ引っ越したのをきっかけに、新聞の購読を完全にやめた。今になっても新聞の必要性をまったく感じていない。
だけど新聞の購読数だけでは、実態が見えてこない。ボクのように購読をしていなくても、職場で読む人もいるはず。たまに駅で購入したり、図書館で読む人もあるだろう。
この記事ではそうした人も含めて、どれくらいの人が新聞を読んでいるかをまとめてある。なかなか興味深いデータだった。
新聞を毎日読むという人は5割を切っている。そしてまったく読まないという人は3割に達しようとしているらしい。その中間にある人たちは、どこかで週に何度か新聞を読むということだろう。
毎日読む人は女性よりも男性が多く、やはり高齢者になるほどその比率が高くなる。20代から40代の人は、確実に新聞を読む人が減っているそう。想像どおりだけれど、客観的なデータとして見せられるといろんなことを感じる。
60代の人は3分の2が毎日新聞を読み、70代の人は8割近くにもなる。ボクがもっとも注目したのはこの部分。日本の高齢者は、今だに新聞からの情報に頼っているということ。高齢化社会の日本にとって、これは見逃せない事実だと思う。
新聞が嘘を書くことがなくても、事実をねじ曲げていることは若い世代には浸透しつつある。それはネットが普及したことで、これまで隠していたものが見えるようになったからだろう。新聞社が特定のイデオロギーによって、記事の内容に色をつけているのは常識になっている。
だけど新聞という『紙』を信頼している人にとって、書かれている内容が絶対的な事実として受け取られてしまいがち。新聞が嘘をつくわけない、と信じている高齢者は多いと思う。事実を交えつつ意図的な思想誘導がなされているから、ある意味嘘をつくよりタチが悪いんだけれどね。
その根拠のない信頼の根にあるのは、手に触れる紙が持つパワーかもしれない。紙で印刷されたものを盲信する気持ちは、ボクの世代にも少しはあると思う。新聞は購読者が減る一方だけれど、現在の40代の人が高齢者になるまでは、紙を信奉する世代が購読数を支えてくれるかもしれないね。
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