SOLA TODAY Vol.799
昨晩眠れなくて深夜にスマホを見ていると、とんでもないニュースが飛び込んできた。
なんとフランス政府は、ついに燃料税の引き上げ延期を発表した! つまり暴動に屈したということ。信じられない……。
燃料税の引き上げに端を発したフランスの暴動が、恐ろしい映像とともに連日報道されている。道路のあちこちで自動車が横倒しになり、黒煙と炎を上げている。イエローベストを身につけた暴徒たちは行動を激化させるばかりで、死者が3人も出ている。
マクロン大統領は暴動を制御することができず、暴徒たちの要求を飲んだということだろう。フィリップ首相が、正式に燃料税の引き上げ延期を発表するらしい。
そもそもなぜここまで大きな暴動が起きたのか? 日本人にはわかりづらい部分が多い。だけどこの記事を読んで、少しだけ理解が進んだ。
右派でも左派でもないことの限界―イエローベストに揺れるフランス
アメリカのトランプ大統領は、どちらかといえば保守勢力の右派にあたる。日本の安倍首相もタカ派と呼ばれてきたとおり、右派傾向が強い。政治家というものは支持母体の影響もあるだろうけれど、一般的に右派や左派等のイデオロギーが明確になっている人が多い。
ところがフランスのマクロン大統領は、右派でも左派でもないというスローガンで当選したとのこと。それが功を奏したのは事実。スタートは良かった。でもどうやらそのどっちつかずの態度が、今回の暴動を呼んだらしい。
右派でも左派でもないマクロン大統領が与したのは、ビジネス界だった。その結果として、燃料税の引き上げという法案が提出されている。この記事を読んでわかったけれど、フランスという国は格差意識が強いらしい。
企業は簡単に従業員を解雇できないという法律があるせいで、逆に失業者が増えている。正社員とすることに慎重になってしまうから。それゆえ国民の不満は爆発寸前になっていた。そんなところに増税案が出たものだから、一気に暴動へと突き進んでいった。
でも例えば右派の大統領なら、右派勢力が左派を抑えてくれる。ところがどちらでもないマクロン大統領に味方は企業経営者たちだけ。だから暴徒のなかには、左派と右派勢力が呉越同舟となっているそう。それゆえ大掛かりな暴動になっている。
日本でいえば経団連会長が首相になったようなものだから、その反発は想像できる。ただ増税を延期したのはマズイよね。暴力に効果があるという前例を作ってしまったことになる。今後も政府に不満があれば、暴動を起こせばいいということになってしまう。
フランス革命時代からの経験が、フランス人のDNAには刷り込まれているのかもしれない。どうにも納得のいかない終わらせ方だよね。かといって暴徒に向かって発砲することもできないしね。それじゃまるで内戦になってしまう。フランスはしばらく大変そう。
ちなみになぜ暴徒がイエローベストを着ているのか調べてみた。フランスでは高速道路で車が故障した場合、蛍光性のあるイエローベストを着ることが義務付けられているそう。道路を歩かざるを得ないときに目立つためだろう。
つまり政府によって我々は高速道路を歩くような状態に追い込まれた、ということを象徴しているらしい。このあたりもお国柄が出ているような気がするなぁ。
ピクシブ文芸大賞の最終選考に残った『エリクサー』を、2018年12月末までの期間限定で無料公開しています。こちらからどうぞ。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする