意味不明なフィッシング詐欺
ネット社会にはびこっているフィッシング詐欺。オフィシャルサイトを装って、IDとパスワードを入力させるパターンがほとんど。あなたのアカウントが乗っ取られた疑いがあるので、すぐにアクセスしてくださいというものが多い。
あるいはコンピュータウイルスに感染していて、いますぐログインしないと危険だというメッセージが届くこともある。ご丁寧に時計でカウントダウンされているものもあって、時間内にアクセスしないと時限爆弾が爆発するような気分にさせられるwww
目的はIDとパスワードを手に入れることで、他人のアカウントで買い物をしたり、最悪の場合はネットバンキングからお金を盗まれることもある。著名人ならアカウントを乗っ取られて利用されることで、ネームヴァリューを悪用されかねない。
普通の感覚なら大抵はすぐにわかる。それでも騙されている人が多いのは、手口が巧妙化しているんだろう。そんなフィッシング詐欺で、まったく意味不明な事例が報告されている。
作家の元へメールが送られ、未発表の原稿を盗むというフィッシング詐欺が起きているそう。主に海外での出来事。編集者や出版社になりすまして、原稿を送るようにと伝えてくる。それも著名な作家だけでなく、無名の作家やデビュー前の作家にまで被害が及んでいる。
ただしその未発表原稿が売買されたような形跡がなく、犯人がなんのためにやっているのかわからないとのこと。特定の作家を狙ったマニアの犯行ならわかるけれど、無差別にやっているからね。
出版前の原稿なんて、ごっそりと内容が変わってしまう可能性がある。編集者の手が入ることで、ようやく本になって出版される。だからそんなもの盗んだとしても、あまり価値がないのは歴然。もしそれをパクって物語を書くとしても、元々は犯人の頭に存在しないものだから無理に決まっている。
いまのところ有力な説として、出版界のスカウトが出版社や映画会社に本の販売権を手配することを目的とし、早期に作品の内容を知るために行っているのではないかというもの。アメリカ等は出版エージェントが作家と出版社のあいだに入るから、他のエージェントより先に有望な作家を見つけようとする可能性はある。
だけど詐欺にはちがいないから、起訴されるリスクを考えるとまともなエージェントはやらないだろう。どう考えても意味がわからない。日本ではあまり事例がなさそうだけれど、そんなメールならちょっとイタズラしてみたい。過去に没となった原稿を送ってみて、どうなるのか見ていたら面白そうだよなぁ。
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