闘う女性はカッコいい
日本人でありながらイギリスで音楽活動をしているリナ・サワヤマが新曲をリリースした。今年になってデビューアルバムを発表しているけれど、今月にリリースされるデラックス版にその新曲が追加されるとのこと。
タイトルは『LUCID』で、もしかしたら明晰夢のこと? 昨日公開されたばかりのミュージックビデオを見ていると、そんな印象を覚えた。デビューアルバムはロック調の曲が多かったけれど、この新曲は完璧なダンスナンバー。曲調と声の質がアリアナ・グランデと似ていて、高い歌唱力があるからこそ歌える曲だと思う。
彼女は幼いころからイギリス暮らしなので、自分の感覚としてはイギリス人だろう。だけどイギリスの音楽界はアジア人である彼女に対して、ある種のバッシングのようなことをやった。外国人扱いすることで、音楽賞のノミネートから外してしまった。
そんな状況でも諦めずに音楽活動を続けている。欧米にもファンが増えていて、着実に彼女の音楽が浸透しつつある。日本人というだけでなく、ボクは彼女が作り、歌う曲にハマっている。この才能を埋もれさせたら、本当にもったいない。アジア人差別と闘いながらも、素敵な音楽を創り続けてほしいと思う。
そして闘う女性といえば、今日は最高の映画を観た。闘う女性は本当にカッコいい!
『アトミック・ブロンド』という2017年のアメリカ映画。そのカッコいい女性とは、シャーリーズ・セロン。女性が主役のスパイ映画といえば、アンジェリーナ・ジョリーが主演した『ソルト』を思い出す。
だけどこの映画は『ソルト』のアンジーがかすんでしまうほど、シャーリーズ・セロンがカッコ良かった!
映画の舞台は1989年のベルリン。ちょうどベルリンの壁が崩壊する前後が映画の出来事と重なる。シャーリーズ・セロン演じるロレーンはイギリスMI6のスパイ。共産世界に侵入している西側のスパイのリストが奪われた。そのリストを取り戻すのがロレーンのミッション。
だがもう一つの隠れたミッションは、ソ連に通じている二重スパイを探して殺害することだった。だからソ連KGBとの戦いが全編を通じて展開される。アクションシーンはかなりエグいけれど、ものすごい迫力だった。吹き替えかと思うシーンでも、カットなしでシャーリーズ・セロンだとわかるシーンがいくつもあった。
とにかく駆け引きと陰謀、そしてアクションが見事に融合した作品。ラスト近くでは二重スパイがロレーンだとわかる。だけどロレーンはリストを奪い返すことで、別の人間を二重スパイとしてでっち上げてしまう。そのしたたかさまでカッコいい。
だけどさらにどんでん返しが待っていた。ロレーンは二重スパイとしてソ連の組織にリストを届けようとする。でもそれはKGBの秘密組織撲滅が理由で、その場で全員を殺してしまう。そして仕事を終えたロレーンを迎えたのは、アメリカCIAの幹部だった。
つまりロレーンはCIA工作員で、イギリスだけでなく、ソ連さえも騙していたという3重スパイ。この段階でソルトがぶっ飛んでしまった。ソルトはソ連のスパイとしてCIAに潜入していた設定だからね。明らかにロレーンの方が上手。
まだ比較的新しい作品だから、続編ができないかなぁ。こんな魅力的なロレーンのキャラがこれきりなんて、かなりもったいないと思う。
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