今日の言葉 5月1日
『純真さに溢れる精神』
真理、本物の神——人間によって作られた神ではなく、本物の神——は、損なわれてきた精神、狭量な精神、浅はかで了見が狭く、限られている精神を望みません。そのようなものを理解するためには健全なる精神が必要です。豊かな精神——しかし知識豊かな精神ではなく、純真さに溢れた精神——が必要なのです。それは経験という傷跡が全くない精神、時間から自由である精神です。
本物の神は充足し、豊かで明晰な精神、強烈に感じることができ、一本の木や一人の子供の笑顔の美しさや、十分な食事を一度も取ったことのない女性の苦悩を見ることができるハートを持った、全的で完全な人間を望んでいるのです。
あなたはこのとてつもない感覚を持たなければなりません。動物、壁を越えて歩いていく猫、みすぼらしさや汚さ、貧困や失意にある人間の浅ましさ、そういったあらゆるものに対する感受性を持たなければならないのです。あなたは敏感でなければなりません。
それは特定の方向に偏ることのない、強烈な感受性を持つということです。それは、現れては消えていく情動ではなく、神経や目、体や耳や声を研ぎ澄ませているということです。いつ何時であれ、あなたは徹底的に鋭敏でなければなりません。このように徹底的に鋭敏でない限り、英知は現われません。英知は感性と観察とともに起こるのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜