今日の言葉 12月5日
『独りある者は純粋無垢である』
悲しみの原因の一つに、人間の抱えるとてつもない孤独があります。その結果、人は人生に意義を見出そうとし、その意義、意味を考案します。しかしそれでも孤独は残ります。
そこでです、あなたは何の比較もしないで孤独を見つめることができますか? 孤独から逃げ出そうとしたり、逃避しようとしたり、孤独を隠そうとしたりしないで、あるがままに孤独を見ることができますか? そうすれば孤独が何か全く別のものになるのが、お分りになるでしょう。
私たちは独りではありません。私たちとはすなわち、幾千という感化影響、幾千という条件づけ、心理的に引き継いでいるもの、プロパガンダ、文化の産物なのです。私たちは独りではありません。だから中古品なのです。
独りあると、そう、たとえ家庭を持っていようとも、どんな家庭にも帰さず、いかなる国家にも、いかなる文化にも、いかなる特定のしがらみにも属さず、全く独りであると、アウトサイダーであるという感覚が起こります。いかなる種類の思想、行動、家庭、国家の枠にもはまらないという感覚です。
純粋無垢なる人は全く独りある人だけです。そして悲しみから精神を開放してくれるのは、この純粋無垢さなのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜