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高羽そらさんインタビュー

行動が採点される社会

昨日FacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグが、アメリカの公聴会で興味深い発言をしている。暗号通貨のリブラについて、議会の承認を得なければ開発を延期するとのこと。ただしガチッと釘を刺している。

 

うちがやらなくても同じシステムを中国が発表するだろう、と。つまりウダウダごねていると、中国に先んじられることを警告した。それはアメリカが世界経済の流れから脱落することを意味する。そしてそれは彼の妄想ではない。

 

道徳心を採点される――中国で広がる「信用スコア」の内実

 

中国は共産党の一党支配ゆえ、トップダウンで物事の進展が早い。野党が横やりを入れるアメリカや日本とちがって、新システムの導入がとてつもない勢いで進められている。

 

クレジット関連の信用調査で芝麻信用というのが中国では有名。過去の履歴によって信用調査が採点され、点数の高い人は様々な特典を受けることができる。逆に信用を失う行為をすると面倒なことになる。

 

どうやらその信用調査が自治体によって行われつつあるそう。この「信用スコア」に関する記事を読んで、その細かさに開いた口がふさがらなかった。

 

中国山東省の栄成市という場所。街は綺麗でゴミひとつなく、路上駐車など見かけない。タクシーの運転手さんに聞くと、それは完璧に監視されているから、もしスピード違反でもすれば、監視カメラによって補足されて次の交差点で警察が待ちかまえているらしい。

 

この街には点数制で市民の行動が採点されている。持ち点は1000点で、違法行為や非道徳な行動は減点され、社会に役立つ行動をすれば加点される。1050点以上がAAA級、1030~1049点がAA級、960点から1029点がA級。850~959点がB級。600~849点がC級。599点以下がD級と評価される。

 

そのタクシーの運転手さんはこう語っている。

 

「スコアが高いと、冬の暖房費補助金の申し込みなどの行政手続きで提出書類が免除されたり、職員が個室で優先的に対応してくれたりと、様々な優遇措置をしてもらえます。逆にスコアが低いと手続きが煩雑になります。もっと低くなると申請すらできなくなってしまいます」

 

記事から一例をあげてみよう。

 

加点項目。

 

ボランディア、拾ったお金を届ける、貧困者支援団体への寄付、献血、同じ団地に住む高齢者を助ける、隣人の子供を送り迎えをする、子供が人民解放軍に入隊する、というような内容で細かい点数が決まっている。

 

減点項目。

 

交通違反、借金を返さない、契約を守らない、公共施設を壊したなどの行為、道に落書きをした、爆竹や楽器で騒音を出した、共産党員の党費未払い等で、これらもかなり細かく点数が定められている。

 

これってどうなんだろう? ボクは昨日から考えているけれど、明確な答えが出ない。

 

イギリスにおける監視カメラのように、ボクは記録を取ることは賛成している。近年におけるあおり運転も、ドライブレコーダーがあったからこそ証明されている。それが犯罪の抑止力になるのも理解できる。

 

だからと言って、ここまでやってもいいんだろうか? たしかに街は整然としているらしい。うまく機能しているんだろう。運転手さんもあえてボランティアをしているらしい。それで加点をしておいて、万が一の交通違反にそなえているとのこと。

 

それってもうボランティア精神からは逸脱しているよね。自分の行動に関して点数を基準にしてしか考えなくなっている。そこには本来の善意や思いやり、あるいは非道な行為に対する倫理観もない。とにかく加点が減点かということだけに気が向いている。

 

そのうえこの点数をめぐって不正や汚職も発生しそうな気がする。中国政府は個人情報を集めることで、国民を監視することに悪用するかもしれない、いや、すでにそうしているかも。

 

この制度をアメリや日本でやるのは難しい。だけど状況が変われば、世界中の国がこのシステムを導入する可能性もある。そういう意味では、今後の中国の状況は注目されることになるだろう。とにかくいまや新しいことは中国から始まるからね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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