自分の身体の声を聞こう
年齢のせいか暴飲暴食をしなくなった。量に関しても食べようと思えば入るけれど、すぐに満腹感を覚えてしまう。だからビッフェ形式の食べ放題なんて行く気になれない。美味しいと感じるものを、適量食べるのがベストだと思っている。
ただその割には、栄養バランスについてボクは無頓着。同じメニューが何日続いても平気だし、料理の品数なんてまったく気にならない。むしろ丼のように、一気に食べられる料理を好む。なんでも混ぜるのが好きだから。
栄養バランスについてさほど気にしていないのは、自分の身体が教えてくれると思っているから。肉体にとって必要なものは、その食材を食べたいと感じるはず。だから基本的に、人間は食べたいものを食べればいいという考え。
ボクのその感覚は、意外と的を外れていないらしい。
栄養バランスの悪い食事が「味の好み」を変える可能性が示される
カリフォルニア大学の研究チームが面白い研究結果を発表している。動物は栄養バランスが偏った食事をすると、味覚を変えることでバランスを取り戻そうとするという結果が出ている。ミバエという昆虫を使った実験。記事から抜粋してみよう。
『研究チームは「栄養素のバランスが取れた食事」「砂糖が少なくタンパク質が多い食事」「砂糖が多くタンパク質が少ない食事」の3パターンを用意し、これらの食事の総カロリー量がほぼ均一であることを確認した上でハエに与え、1週間にわたって食事の好みをテストしました』
そしてその結果、
『私たちは餌によってハエの味の好みが変化することを発見しました。砂糖が少なくタンパク質が過剰な餌を食べると、バランスが取れた餌を食べるためにハエの味覚感受性が変化して、短期的にはより砂糖を多く、タンパク質を少なく食べるという代償行動を取るようになったのです』とのこと。
すごいよね。ハエは栄養学を学ばなくても、栄養バランスの取れた食事をすることができる。この味覚の変化は、栄養バランスが改善すると正常に戻るそう。味覚が変わったままなのではなく、元に戻るというのが素晴らしい。
ハエにできることなら、同じ動物である人間にだって可能だろう。だから人間だって自分の味覚に正直でいいと思う。素直に身体の声に耳を傾ければ、ある程度栄養バランスの取れた食事ができるはず。
ところが人間にはハエにはない大きな壁がある。
まずは依存症。薬物やアルコールというものに対する依存症になっている人は、身体が悲鳴をあげていてもその声が届かない。炭水化物でさえ依存症があるそうなので、これはかなり厄介な壁だと思う。
さらに人間はストレスによって摂食障害を起こす。過食や拒食という状態になることで、同じく身体が発しているメッセージを聞き取れない。それ以外には社会生活上の付き合いによって、会食ばかりが続く人もあるだろう。これまた身体の声を無視するしかない。
つまり精神が健康でなければ、身体の真の声が聞こえないということ。好きなものを食べればいいと思っているボクだって、ストレスによって精神バランスを崩すことで、適正でない食事をしているかもしれない。こうなってくると、なかなか難しい。
これは言葉が話せない赤ちゃんや、ペットと会話するのと同じだと思う。根気よく自分の身体に語りかけて、その意図を汲み取る練習をするしかない。栄養学というのは一般的なものであって、自分に適するかどうかはわからない。だから肉体との会話を継続していくのがベストなんだと思う。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。