世界に広がるプーチン包囲網
ウクライナ危機に関する最新のニュースによると、ベラルーシの介入によってロシアとウクライナの停戦交渉が始まるそう。だけどロシア側がウクライナに対して全面降伏を迫るような態度であれば、決裂することは避けられないだろう。
なぜなら世界中の多くの国で、ロシア政府、特にプーチン大統領に対する非難が高まっている。ロシア国内でさえ各地で反戦デモが起き、他国でも数万人単位の人たちを集めた抗議集会が行われている。
そうした反戦抗議だけではなく、ウクライナに対する具体的な支援が始まっている。ボクが素晴らしいと思ったのは、イーロン・マスクの対応。
イーロン・マスク氏、ウクライナでStarlink衛星ネットサービスを開始と発表
ロシアの攻撃により、ウクライナの通信網が打撃を受けている。戦争状態において、情報は最強の武器でもある。そこで宇宙産業に乗り出しているイーロン・マスクが、彼の会社であるSpaceXの打ち上げた衛星を利用したネットサービスを、ウクライナで使用できるように動いたとのこと。
これはすごい。衛星を所有している企業なんてそうないからね。衛星でのネットサービスなら、インフラの破壊にも対応できる。ロシア政府にすれば、クソっという気持ちだろう。さらに様々なバックアップが、世界中の企業によって行われている。
Facebook、Twitter、YouTubeでは、ロシアの国営メディアの広告を禁止した。ロシア政府のプロパガンダを防ぐためだろう。ヨーロッパの航空会社は、戦禍を避けるためロシアへの航空便停止を次々と打ち出している。これはロシアにとって経済的な打撃となるだろう。
経済といえば、ようやく欧州はSwiftからロシアを締め出すことを決定した。アメリカや日本政府も同調している。効果については様々な意見が出ているけれど、とにかくロシアは海外での金融取引が完全に停止してしまう。プーチン大統領の資産を凍結するよりも、ロシアにはきつい決定だと思う。
日本でも楽天の三木谷さんが、10億円の支援をすると発表した。そのお金がどのように使われるかわからない。人道支援なのか、武器の調達に使われるのかは不明。ただイーロン・マスクを含めた世界中の金持ちがプーチン大統領を包囲しようとしている。
紛争前はウクライナにヘルメットしか送らなかったドイツ政府が、ロシアへの対抗策として13兆円もの軍備増強を発表している。さらにウクライナに対して大量の兵器供給を決めた。戦争をけしかけているという批判はあるだろうけれど、世界中がロシアに対して本気で怒っていることを示すのは重要だと思う。
変わったところでは、国際柔道連盟がプーチン大統領の名誉会長職を一時停止した。どうでもいいようなことだけれど、これもプーチン包囲網のひとつだと思う。ハッカー集団であるアノニマスは、今回のウクライナ危機に抗議をするため、ロシア政府にサイバー攻撃を仕掛けている。
戦争が起きてしまった以上、早急に停戦となるのを期待したい。ただし、一方的に侵略をしたロシアの思惑どおりの停戦は容認できない。それは国家による暴力を肯定することになり、同じことを考えている国の行動を正当化してしまう。
現代社会において侵略行為が割に合わないことを、世界中の人の協力によってプーチン大統領に思い知らせる必要がある。そのためのプーチン包囲網だろう。そして願わくば、ロシアの人たちがプーチンの暴挙を止めてくれることを期待したい。
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