あと一押し、惜しい!
1日置きに映画を観ていると、作品を選ぶときにキャストで決めることが多い。推しの俳優さんが出演しているなら、ジャンルに関係なく観るようにしている。今日もそのパターンで作品を選んだ。特に今回は演技を観たい女優が二人もいる。だから迷わずチョイスした。
2022年 映画#210
『AVA/エヴァ』(原題:Ava)という2020年のアメリカ映画。その女優の一人は主人公を演じた写真のジェスカ・チャスティン。主役も脇役もできる素晴らしい女優で、アカデミー賞だけでも2度ノミネートされている。他の映画賞は数えきれないほど。ボクは彼女の大ファンで、作品によってまったく違う人物を見せてもらえるので、楽しみで仕方ない。今回はなんと凄腕の殺し屋だった。
もうひとりの女優は、主人公の母親を演じたジーナ・デイヴィス。もう四半世紀ほど前になるけれど、『ロング・キス・グッドナイト』という最高のアクション映画がある。いまは60代の彼女も当時は30代で、この映画と同じようにCIAの暗殺者役をやっていた。もし機会があれば絶対に面白いからおすすめだよ。
この二人を観たくて選んだ作品。ジェスカ・チャスティン演じるエヴァは殺人兵器のような殺し屋。すでに40人以上も殺していて、大金を手にしている。軍に所属していた経歴だけでなく、デュークというベテラン暗殺者の弟子として訓練を受けている。
ただ人を殺すことに罪悪感があるのか、ターゲットに話しかけてしまう。殺されるべき人間なのかどうか気になって仕方ない。これは組織の掟破りで、そのことがきっかけで組織から命を狙われてしまう。わかりやすく言えばキアヌ・リーブスが主演している『ジョン・ウィック』の女性版のような内容。
この作品の悪役はコリン・ファレル演じるサイモン。そしてエヴァを優れた暗殺者として育てたデュークをジョン・マルコヴィッチが演じている。そういう意味ではキャストとしては完璧。エヴァのアクションも最高で、ファンとしては新しいシリーズ作品として続編を期待したい内容だった。
だけどちょっと残念なのが尻すぼみ的なストーリー。サイモンがエヴァを単独で殺しにくるシーンは、もう少し練ったほうがいいと感じた。組織を束ねる男が単独でやってくるのは不自然。それに意外と弱い。コリン・ファレルの使い方がもったいないと思った。
さらに欲を言えば、母親役を演じたジーナ・デイヴィスをもっと上手く使って欲しかった。母と娘のやり取りとして素敵なシーンはあった。でもボクとしては母親も実は過去に殺し屋をやっていた、という驚くような展開にして欲しかった。だってジーナ・デイヴィスだよ。十分に説得力がある設定だと思う、
『ロング・キス・グッドナイト』の続編にしても良かったと思える内容。あと一押しという感じて、実に惜しい作品だった。続編を匂わせたラストだけれど、実際に制作されるかどうかは微妙な気がするなぁ。
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