想像力はどこから来るのか?
さ、寒い。
昨晩から今朝にかけて暴風が吹き荒れて、朝には雪が舞っていた神戸です。少し積もった程度なので交通には影響は出ていないようです。でも完全防備で外を歩いていても、顔に当たる風の冷たさで全身が震えるほどでした。
それでも公園にこんな花が咲いていました。
菜の花です。ビックリしますよね。春になって咲けばと思って、公園に植えられたようです。でも暖かかったので、うっかり咲いてしまったのかもしれません。きっとこの寒波に震え上がっているでしょう。写真だけを見ていると春のようですね。
どうやらこの寒波、松岡修造さんが日本にいないのが原因のようです。全豪オープンテニスの取材でオーストラリアに行かれてから、日本が寒波に見舞われています。そしてオーストラリアでは異常な暑さだそうです。いつもネットで話題になりますが、本当によく当たりますよね。松岡さん、早く日本に帰ってきてください!
さて、昨日観た映画です。想像力がどこからやって来るのかを感じさせてもらえる映画でした。
『ネバーランド』(原題Finding Neverland)という2004年に公開されたアメリカとイギリスの合作映画です。
有名なピーターパンの作者であるバリが、どのようにしてこの物語を創作したか、実話に基づいて作られた映画です。
劇作家のバリは新作を書いても売れません。芝居の評判は悪く、自信を失くす一方でした。ある日公園で3人の男の子の兄弟と出会います。父親を病気で亡くした母子家庭の親子でした。
その中のピーターという子供は、父を亡くしてから心を閉ざしています。そんな彼を励ますため、バリはその家族と交流するようになります。そしてそこでピーターパンの構想を得て、物語を完成させます。つまりそのピーターがモデルとなったわけです。
バリを演じるジョニー・デップの演技にとても好感が持てました。映画によって全く違う人物に変わる彼は、まさしく名優だと思います。海賊の姿をしても、決してジャック・スパロウに見えなかったですものね。
そして薄幸な母親を演じたケイト・ウインスレットも素晴らしい演技でした。いつもながらいい女優さんだと心から思います。
この映画を観ていて最も心を惹かれたのは、バリが想像力を働かせていく過程です。子供たちと遊びながら、物語の世界を構築していきます。何気ない生活の中で、物語を構成する要素が溢れていることを教えてもらえました。それを見つけ出す眼こそが、想像力なのでしょう。
だからどこか遠い世界から想像力はやってくるものではありません。私たちの日常の世界に存在するのだと感じました。それを見つけ出せるかどうかが、想像力の鍵を握っているのでしょう。
映画のラストで、舞台の芝居に感動した人たちがピーターを見つけます。きみこそがピータパンのモデルなのか、と賞賛の声をかけます。でもピータはかぶりを振ると、近くにいたバリを指さしました。
「ピータパンは、この人です」
モデルは所詮モデルなのです。作家が書けるのは自分の人生であって、他人の人生ではありません。想像力でモデルの人物をファンタジーの世界に遊ばせても、その世界を支えているのは作家の人生以外にありません。結局書けるのは、自分の世界でしかないのです。
「物語を書く」ということは、そういうことなのでしょう。ピーターの短いセリフが、そのことを表現していると思います。小説を書いている私にとって、とても深い洞察を与えてもらえる映画でした。
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