メチャ気になる Vol.91
リオ五輪の真っ最中です。でも心配なのがテロ。最近では911のような度肝を抜くテロではなく、数人の人間が起こす散発的な犯行が脅威となっています。でもテロを受けている国も黙って指をくわえているわけではありません。アメリカを中心とした有志国連合は、かなりISを追い詰めているそうです。ところが大きな問題が浮上してきました。
この警告は先月の27日、アメリカFBIのコミー長官が発表したものです。
ISは最盛期に占領していた領地に比べると、シリアでは約20%、イラクでは50%を失っています。いよいよISの壊滅が来年にも実現できる見通しが立ってきました。ところがコミー長官の警告は深刻です。ISの壊滅によってさらにテロが増加するだろう、というものなのです。
2011年以降、ISには世界の120以上の国から約43,000人の戦闘員がシリアやイラクに流入しました。そのうちヨーロッパからは7,400人、アメリカからは250人が参加しています。今月になってもシリアやイラクの外国人の戦闘員は約3万人に達するとのこと。
今の状況でISが壊滅すると、どのような結果を迎えるかは歴然としています。テロ思想に洗脳された戦闘員たちが、生れ育った故郷の国へ戻ることになります。もちろんどの国もそうした戦闘員の帰国に神経をとがらせています。でもシリアから逃亡する場合、隣国のトルコはクーデーター騒ぎで混乱しています。ですからトルコに越境した戦闘員たちが、そこを拠点にして世界中に散らばる可能性があります。
FBIのコミー長官は、アメリカのアフガニスタン侵攻によって、アルカイダの戦闘員が国外逃亡したことを例に出して述べています。
「ISのケースはその10倍以上の規模で起きる。われわれが経験したことのないような桁違いの拡散になるだろう。その挑戦は間もなくやってくる」
昨年から今年にかけて起きているヨーロッパのテロは、組織的というよりは個人の単独行動的な側面が強いように思います。それがかえって警備の隙をつくことになり、大勢の死傷者を出しています。
ISが壊滅して戦闘員が世界に散らばったら、このような単発的なテロが続発する可能性があります。恐ろしいのは、その実行犯が外国人ではなく、テロの被害にあう国の国民であるということです。ISに洗脳された人間が、失望と恨みを抱え、復讐のために自国へ戻ってくるのです。
かといって現状のままISを放置しておけば、やはりテロは起きるでしょう。どのような選択をしたとしても、悲劇に向かって突き進んでいるような印象を持ってしまいます。狂信的なテロ組織に対して、どのように対処していくべきなのかわからなくなってきます。
4年後に東京五輪が開催される時、世界はどのような状況になっているのでしょう。とても気になります。
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