生き物と共存する姿勢
このブログで何度も書いているけれど、ボクは害虫、害獣、駆除という言葉が大嫌い。それらの言葉には人間のエゴしか見えず、他の存在に対するリスペクトのかけらさえ感じないから。
肉食獣が草食動物を捕食するとき、リスペクトなんで存在しないという反論があるだろう。だけど厳密にいえば、肉食獣が草食動物の群れを襲うときに狙うのは身体の弱った個体がメイン。そこにリスペクトの精神はないかもしれないけれど、本能に従うことで草食動物たちの群れの維持に関わっている。
もちろん人間だって本能に従えば、生き物を殺すことに対する正当性を主張できるだろう。ボクだってお肉を食べている。ただ人間には本能を制御する理性が与えられている。その能力が人間に求めているのは、他の生き物に対して本能を超越した配慮をすることだと思う。
つまり人間には、他の動物たちと共存する責任が課せられている。だから人間目線で判断するのではなく、生き物たちの立場に立った視点が必要になってくる。それこそが生き物と共存するために、最低限必要な姿勢だと思う。
ある会社の試みを知って、生き物に歩み寄っている温かい姿勢を感じた。
ボクは基本的に虫を殺さない。夏場に部屋へ虫が侵入したら、どうにかして生きたまま外に出す方法を考える。ゴキブリだって手でつかんで、傷つけることなく退出していただく。ただ蚊に関しては、申し訳ないけれど命をいただいている。
でもボクは殺虫剤が大嫌い。猫も飼っているので、あんなものを部屋にまきたくない。だから仕方なくスリッパを手にして蚊を追いかけることになる。だけどこの花王の研究が実用化されたら、蚊を殺す必要がなくなるかもしれない。
蚊というのは人間の肌に止まると、いったん姿勢を整えてから吸血するそう。だからその段階で違和感があると、蚊は離れてしまう。低粘土のシリコンオイルを肌に塗ることで、蚊が吸血行為をしないことが分かったとのこと。
蚊の足は撥水性が強い。だけどシリコンオイルだと蚊の足に成分が浸透するので、異様な圧力を感じるらしい。だから蚊はその肌からすぐに離れてしまう。虫除けスプレーのようなものとちがって、蚊の本能に寄り添った方法だと思う。
生き物の命を奪うのではなく、お互いに納得できる範囲で距離をとる。この姿勢が生き物との共存の基本だろう。どのように実用化されるかわからないけれど、花王という企業がちょっと好きになった。
少し前にあるニュースを見た。アメリカのどこの州だったか忘れたけれど、高速道路に動物が侵入して事故の起きることが多い。それは人間にも動物にも不幸なこと。そこで高速道路に動物専用の橋を作ったというニュース。
その橋を鹿等の動物が利用してくれているそうwww だから高速道路に侵入することがなくなり、双方にとって悲しい事故が減っている。読んでいてとても幸せな気分になれるニュースだった。
日本でも熊、鹿、猿たちとの共存が問題となっている。害獣として徹底的に駆除するという方針があるのも知っている。だけどもっとちがうアプローチができないものだろうか? 元々彼らの住みかを奪ったのは人間なんだから。一匹でも多くの野生動物が幸せに暮らせるよう、人間は何らかの行動する義務があるのでは? そんなことを考えてしまう記事だった。
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