ガストンとの対話 Vol.84
ガストンさん、今日は死後世界について対話したいと思います。死後世界というものは存在するのでしょうか?
「あると言えばある。ないと言えばない」
アハハ、そういう答えが返ってくると思っていましたよ。私が子供の頃に比べて心霊番組が減ってきたと思いますが、それでもテレビで特集をすることがあります。最近はスマホ等が普及したので動画の特集が多いですね。いわゆる幽霊というものの存在を議論するとき、同時に死後世界の存在が問われていると思います。もう少し具体的に話してくださいませんか。
「死をどのように捉えるかによって、その答えが変わってくるということだ。順序立てて考えてみよう。まずこの地球という惑星や、それを含む宇宙全体を一言で表すとどうなる? 人間が思い出すべき、最も大切なことだ」
え〜っと……。あっ、「全てはひとつである」ということですね。
「そうだ。死後世界について考えたいと望むのなら、そこからスタートするべきだ。見渡す限りの地球の大地に存在する全ての動植物や鉱物、太陽系や銀河を含めた全てがたったひとつのものであると仮定しよう。それが本当の自分だ。だから本当の自分は、それら宇宙全体より大きいということだ。ひとつの銀河など、その意識にとっては小さなペンダントに収められるような感覚だ。だがお前さんたちは自分をそのようには認識していない」
そうですね。本当は宇宙全体を超えるものが自分であるのに、この肉体の境界線のなかに存在するものが自分だと考えています。
「その『反転』に気づくことが大切だ。自分以外の全ての宇宙を含めたものが本当の自分であるのに、ひとりの人間のなかに自分という概念を押し込めている。それが『自我』だな。お前さんたちはリバーシブルの世界を裏返して見ているのだよ。そしてそれが紛れもない真実だと錯覚している」
えぇ、冷静に考えればとんでもない錯覚ですね。私たちはその「自我」が消滅することを死と捉えているのですね。
「始まりがあり終わりがあるものは幻想だ。だが自我を自分と思うことで、死で全てが終わると考えてしまう。ところが全てはひとつだ。幻想である肉体が滅びても、意識は存在する。だが人間と自我との結びつきは強烈だ。意識が存在していると気づいた時、そこにまだ自我が残されている。その意識にとっては、それが死後世界だ」
ということは、もし生きている間に本当の自分を思い出したら、つまり悟りを得たら死後世界は存在しないということですか?
「そういう意識状態なら、死後世界という概念さえないであろう。本当の自分は「自我」が生まれる前から、そして死んでからも存在していることを知っている。生や死が幻想だと見抜いているから、誕生や死後世界の区別などあり得ない」
死後世界の存在を臨死体験等で説明する人がいます。それも多くの証言があります。つまり私たちは「自我」との決別ができていないから、そうした死後世界を認識しているのですね。
「自我というのはひとつのエネルギーだ。ある方向性を持つと、それを解消するためには相殺するエネルギーを必要とする。ある自我で強烈な後悔や葛藤を抱えたとしよう。それらを手放さない限り、その自我は残されてしまう。だから肉体が滅んでも、別の自我を手にして問題を解決しようとする」
それが生まれ変わりというものですね。
「そうだ。だから転生というものは過去の時代にさかのぼることもある。時間は幻想だからな。自分が抱えている問題を解消するために、適切な自我を選択するのだよ。つまり自我を手放せないから、転生も存在する。だから本当の自分を思い出した人間に生まれ変わりなど存在しない。少し話が脱線してきたな」
でも最初にあなたが言っていた言葉の意味がよくわかりました。私たちが「自我」を本当の自分だと思っている限り、死後世界は存在し、生まれ変わりが存在するということですね。だからあると言えばある、ないと言えばないのか。
「そうした自我とのゲームを続けたければ、いつまでも続けることができるであろう。自分がイメージした天国や地獄で過ごし、やがて地球で新しい自我を経験する。そして死んでまた繰り返しだ。だが意識を変革すれば、その連鎖を断ち切ることができるということだ」
生きている間に本当の自分を思い出す大切さが理解できました。死後世界という概念が存在する自我の世界から抜け出したいですね!
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