今日の言葉 12月24日
『一つの思考の中味を知り尽くす』
何ものでもないことが自由の始まりです。もしこのことを感じ、吟味することができれば、気づきが深まり、自分が自由でないということ、種々様々な事柄に束縛されているということ、その一方で精神が自由になりたがっているということがお分かりになるでしょう。そこで精神は、自分がなぜ何かにしがみつくのかを調べてみなければなりません。しかしこれには難行が伴います。
ありとあらゆるものがあなたの前に立ちはだかります。奥さん、ご主人、息子さんにお嬢さん、隣人、神様、自分の宗教や伝統といった全てがあなたの邪魔をするわけですが、保証を求めてこういうものを作り出したのは、実はあなた自身なのです。ですから保証を得ようとする精神は決して自由を発見できません。
妻や夫には先立たれ、息子はどこかへ行ってしまう。何かしらが起こります。なぜなら生は全て運動だからです。このことは直に把握され、見られ、感じられるべき真理であり、あれこれ議論されるべきことではありません。更に究明し始めれば、それが実は瞑想のプロセスであることがお分かりになるでしょう。
一つ一つの思考に気づくこと、どのような源からその思考が湧き出てきているのかを知ること、その思考の目的や意図が何かを知ること、これが瞑想です。そして一つの思考の中味を知り尽くすと、精神のプロセス全体が明らかになるのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜