SOLA TODAY Vol.230
Facebookを使っていると、ちょっぴりウザい機能があることに気づく。
「知り合いかも」というもので、友達登録をしている人間関係を類推して、自動で表示される機能だ。Facebookで友達を探しているわけじゃないから、ボクにとって余計なものでしかない。
ところがその機能を使って、面白いことをやっている人たちがいる。
指名手配犯に友達申請? ベラルーシ内務省が実施したFacebook「知り合いかも」の新しい活用法
それはベラルーシという東欧の国の内務省の人たち。この国は犯罪者が多く、毎年5,000人もの犯罪者が逮捕されないまま街に潜んでいるらしい。それはかなりヤバい。
とりあえず指名手配犯の写真や似顔絵を街に貼りまくっているらしいが、誰も見ようとしない。そこで内務省の人たちは考えた。
指名手配犯の情報を知らしめ、情報を募ることを目的として、6名の犯罪者のFacebookアカウントを作成した。アカウントのプロフィール画像は、「WANTED(お尋ね者)」のラベルを付けた犯罪者の似顔絵。
そして、タイムラインには該当の指名手配犯の特徴が書かれたポスターの画像を投稿するなど、このアカウントを訪れた人が簡単に犯罪者について知れるよう工夫が凝らされている。
ここで先ほどの「知り合いかも」の機能が活躍する。
一般の人たちにこのアカウントに友達申請をしてもらう。そうするとその申請をしてくれた人の友達に、「知り合いかも」ということで犯罪者の情報が流れる。この機能を使って犯罪者の情報を拡散しようというプロジェクトだった。
指名手配犯のアカウントに友達申請があるかどうか不安だったらしいが、多い日は1日に50件を超える申請があった。これまで合計で2,500人を超える人たちが友達申請をしてくれて、「知り合いかも」という情報は200万人の人が目にしたとのこと。
すごいよね! 200万人というのは、ベラルーシ国民の4分の1にあたるらしい。そしてその効果があった。なんとその6人のうちの1人が逮捕された。その詳しい経緯は記事に書かれていないけれど、このFacebook作戦が功を奏したのだと思う。
ネットで行方不明の人を探す記事が拡散されることがある。TwitterやFacebookでよく見かける。でもこの例のように、指名手配犯のアカウントを作り、架空の友達を通じて情報を拡散するという方法は画期的だと思う。
よく考えたよね。Facebook側としての意図に反するかもしれないけれど、ウザいと思っていた機能にこんな利用法があるとは思わなかった。
法律的に問題がないのなら、このような手法は日本でも積極的に取り入れていけばいいと思う。今の時代は情報発信に関して、様々な角度から攻めていけるから。
逆に言えば、情報の受け手もそうした現状を認識するべきだと思う。ベラルーシのように情報の拡散が有意義に使えることもあれば、誰かをだましたり洗脳するのに情報が使えるのも事実だから。
漫然と情報を受け取っているのではなく、それらがどういう意図を持って流れてきているのかを、しっかり自覚する必要があると思う。でないと誰かを助けるつもりで、自分が加害者になってしまうこともあるからね。
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