天才=人格者ではなさそう
ボクも妻もフルーツが大好きで、1年を通じて食べない日はない。どのフルーツが好きかと問われても、特定の種類を絞れないほど好き。どうしてもと言われたら絶対に外せないのがリンゴ。
昨日、ある方からリンゴをいただいた。妻と二人でそのリンゴを口にした途端、二人ともその美味を表現する言葉が見つからない。世の中にこんな美味しいリンゴがあるなんて知らなかった。大袈裟だと笑われるかもしれないけれど、本気でそう思うほど美味しいリンゴだった。
普段スーパーで買っているリンゴだって、まぁそこそこ美味しい。だけど比較してしまうと、その差は歴然。同じリンゴとしてこの世に生まれても、流通ルートも含めて違う道を歩むんだなと感じた。等級の高いエリートのリンゴはDNAだけでなく、育つ環境も含めてある種の『天才』扱いされる部類に入るのかもしれない。
これって人間世界でも同じで、やはり凡人には到底及ばない『天才』と呼ばれる人たちがいる。それはいったいどのような人たちなのか? そのことを突き詰めた面白い本を読んだ。
2023年 読書#103
『イェール大学人気講義 天才〜その「隠れた習慣」を解き明かす』クレイグ・ライト著という本。
著者はイェール大学の名誉教授で、学生に大人気となっている天才の資質探究講座を担当されているそう。その講義の内容をまとめたのがこの著作。
一般的に天才と呼ばれている人たちについて、あらゆる角度からアプローチしている。この本で登場する『天才』の一部を紹介しよう。
アインシュタイン、キュリー夫人、ホーキンス博士、イーロン・マスク、スティーブ・ジョブズ、シェイクスピア、ヴァージニア・ウルフ、レオナルド・ダヴィンチ、ゴッホ、草間彌生、モーツアルト、ベートベン、レディ・ガガ、カニエ・ウエスト、エリザベス1世、チャーチル等。
まぁ、これだけでもすごいメンバー。もちろんそれぞれが個性的で独創的な人たちばかりなので、共通項を見つけ出すのは難しい。ただこの講座では、そうしたなかから天才としての資質を見出そうとしている。いい意味でも、悪い意味でも面白かった。
いい意味では、天才たちの集中力と努力には頭が下がる。彼らは夢中でゾーン状態となっているため、自分が努力しているとは思っていないだろう。それでも凡人から見れば簡単なことではない。
悪い意味では、人間的に問題のある人が多いということ。協調性や忖度精神にはほど遠く、他人の感情に寄り添う気持ちの欠けている人が多い。これはサイコパスの特質と同じ。サイコパスとしての能力を、犯罪ではなく独自の分野で開花させている人が『天才』と呼ばれているのかもしれない。
講座を終えた学生たちのインタビューが面白かった。『天才』の素晴らしさを認めつつも、『天才』になりたいかという質問に対して「ノー」と答える人が多かったそう。ボクも同じように答えると思う。
天才=人格者ではないし、彼らの多くが幸福そうに見えなかったから。天才ゆえの孤独や喪失感を覚えながら、世界から評価を受けたのは死後だという人も多い。そんな『天才』の姿にどことなく切ないものを感じた。
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