必然世界へと誘う努力
昨日の夕方のブログで、『人間には自由意志がある」と『人間には自由意志がない」はどちらも正解だと述べた。今年になってこの結論に至ったことで、自分の中でこれまで滞っていたモヤモヤが解消された気がしている。
この矛盾した状況をわかりやすく例示するとすれば、小説や映画の世界がわかりやすい。物語の登場人物は自由意志の世界で生きている。それゆえ葛藤を抱えながら決断を下し、自分の目的を達しようとする。それがハッピーエンドで終わるか、それとも悲劇になるかは物語によって違う。だけど彼らは自由意志の結果としてその事実を受け入れるしかない。
ところが小説の読者や映画を観ている人は、ハラハラドキドキしながらも決められた結果しか得られない。その小説を何度読んでも、映画を何度観ても、登場人物のセリフも行動も、そして待ち受けている結果も同じ。つまり登場人物には自由意志がないのと同じに思える。
この感覚を現実世界に当てはめてみると、宇宙の秘密の一端が見えてくる。あかん、あかん、書き出したら止まらなくなるのでこの辺でやめておこうwww
とにかく優れた物語というのは、ストーリーの流れを絶対的な必然性が支配している。小説を読んでいる人や映画を観ている人が、いやそれはおかしいやろう、と言い出したら作者の負け。なるほどそれは仕方ないよなぁ、という連続によって素晴らしい物語は紡がれていく。
そんな必然世界へと誘う努力が散りばめられた、素晴らしい物語を読んだ。
2023年 読書#106
『ミレニアム2 火と戯れる女』上巻 スティーグ・ラーソン著という小説。世界的なベストセラーとなった『ミレニアム』シリーズを久しぶりに読み直している。スウェーデン版の映画の完全版が公開されたことで全て再見した。そしてハリウッド版も観た。ということでその勢いで原作を読み直している。
このシリーズは3部作になっていて、これはその第2作目。映画に関してはスウェーデン版しか映像化されていない。この作品もダニエル・クレイグのハリウッド版で観たかったけれどなぁ。
久しぶりに原作を読み返して、スティーグ・ラーソンの努力と筆力に感激している。映画ではツッコミどころが散見していた。だけどさすが原作。まだ上巻の段階だけれど必然性は完璧だった。よくここまで詳細に書けるなぁ、と本気で感嘆した。
有名な作品なので詳細なストーリーはいいかな? 上巻はボクの大好きなリスベット・サランデルが、3人を殺害した疑いで指名手配されてしまうところまで。もちろん彼女は殺していないし、むしろ被害者に危険を知らせようとした。そのことを信じているミカエルが、警察に協力しつつも事件の真相を調べようとしている。
この事件にはリスベットの少女時代の悲惨な体験と、悪魔のような父親が関係している。それは下巻に詳細に書かれることになる。できるだけ下巻を早く読んで、ボクの大好きな第3作目を読もうと思っている。やっぱリスベットは魅力的だよなぁ。
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