リアル『らんまん』を満喫
NHKの『ブギウギ』は想像していた以上に素敵なドラマで、毎日が楽しみで仕方ない。今週はこれからアメリカとの戦争が始まろうという時期で、ドラマの雰囲気も暗くなっている。だけど淡谷のり子さんをモデルとした茨田りつ子に刺激を受けて、自分の楽団を作ろうとしたスズ子の笑顔で今週は終わり。
来週の予告編を見ていると、戦地に行った六郎に何かが起きた予感。ドラマの展開としては仕方ないのかも。戦後の日本人を元気づけた笠置シヅ子さんのように、スズ子が悲しみを乗り乗り越えて歌うことになるんだろう。
さて『ブギウギ』が始まった当初は、前作の『らんまん』が終わって寂しかった。神木隆之介さんと浜辺美波さんの夫婦が大好きだったから。そんな『らんまん』の万太郎のことをもっと知りたくて、モデルとなった牧野富太郎さんの自叙伝を読んだ。
2023年 読書＃102
『新訂 牧野富太郎自叙伝』牧野富太郎 著という本。自叙伝といっても牧野さんが残した文章を自叙伝のようにまとめられている書籍。文章の上手い方で、とても面白く読むことができた。そしてドラマの万太郎が見事な植物画を書いたように、牧野さんも素晴らしい植物画を描かれていた。そのいくつかがこの本にも掲載されているけれど、本当にすごい！
ドラマと比較しながら読んでいるとなかなか面白い。もちろん脚色なのでドラマと事実は違う。例えば志尊淳さんが演じた竹雄に当たる人物はいない。造り酒屋は番頭さんに任せきりだったようで、番頭の息子さんが東京で暮らしたことはなかった。
でも同じ部分もかなりあって、よく考えて作られたドラマだと思う。牧野さんの妻である壽衛さんは、ドラマの寿恵子と同じく菓子屋の看板娘だった。それで牧野さんが見そめたのも同じ。壽衛さんが渋谷で待合を経営していたのも実話だった。
ちなみに10月に上京した時、お世話になっている芸能事務所のオフィス・ニグンニイバの社長さんたちとランチをした。事務所が渋谷で、歩いてすぐのお店だった。そのお店のあたりが、壽衛さんが待合をしていた場所にあたるとのこと。その当時の渋谷を想像しながら、感慨深く眺めていた。
牧野さんが自分で印刷をするために１年間石板印刷屋で働いたのも同じ。牧野夫婦の仲人がその印刷屋の主人だったのもドラマと同じだった。
ドラマでは万太郎と確執を抱えることになった田邊教授は、矢田部さんという方がモデルだった。やはり鎌倉で溺死されている。さらに徳永教授のモデルは松村さんという方で、矢田部さんの死後に牧野さんを東京大学へ戻してくれたのも同じ。まぁ、松村さんとは現実にはいろいろ面倒なことがあったみたいだけれど。
牧野さんは94歳まで生きておられた。本文にもご自身が書かれているけれど、いたって健康だったとのこと。お酒が飲めないのはドラマと同じで、それが長生きの秘訣だろうと語られていた。
ドラマと事実は違うけれど、リアル万太郎こと牧野富太郎さんは、とても魅力的な人だった。クスッと笑える毒舌なのが気に入ったなぁwww
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