嘘のような凄い実話
街を歩いていると、いよいよ2023年が押し詰まってきたという雰囲気。すでに不動産屋さんでは『謹賀新年』のポスターが出入り口に貼ってあった。その一方でボクが毎年お餅を買っている和菓子屋さんでは、店員さんが忙しそうに働いていた。これから大晦日まで大変だよね。
買い物も年末モードになっていて、前もって買えるものはすでに購入済み。今年最後の買い物が明後日の30日だから、忘れ物をしないように気合いを入れなくては。残念なのは31日が寒冷前線の通過で天気が荒れるらしい。となると神戸の元旦の日の出は無理かもね。
今年の映画も見納めが近づいてきた。毎年の最低ノルマが180本。でも昨日までですでに211本なのでまずます。年内に215本は行けるかも。今年212本目の作品は、嘘のような本当の話だった。
2021年 映画#212
『オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―』(原題:Operation Mincemeat)という2021年のイギリス映画。ボクの大好きなイギリス作品で、コリン・ファースが主演している。もちろん共演もイギリス俳優さんたちで、本当に素晴らしい映画だった。
実話を映画化した作品で、「ミンスミート作戦」として知られているそう。1943年4月にイギリス軍の諜報部が成功させた作戦。歴史的な事実なのでネタバレしてもいいだろうけれど、新しい作品なので概要だけを述べておこうと思う。
イギリスやアメリカの連合軍は、ドイツ軍との作戦を優位に進めるためシチリア島への攻撃を計画していた。だけどドイツ軍はヨーロッパ戦線への要なので守りが固い。イギリスのチャーチル首相としては、連合軍がギリシャを攻撃するとナチスを騙して、ドイツ軍のシチリア部隊をギリシャへ移動させたい。
そこで考えられたのがこの「ミンスミート作戦」というもの。架空の兵士の死体を中立国であるスペインの海岸に漂着させる。スペインにはドイツのスパイが大勢入り込んでいるから。その兵士には極秘の手紙を持たせていた。「連合軍はギリシャを総攻撃する」という文章。
「敵を騙すには、まず味方から」というのは必然。だからコリン・ファース演じるモンタギュー率いるチームは胃が痛くなるような工作活動を実施する。まずは死体探しから。ホームレスの溺死体を見つけて、できる限りは腐敗を防ぎながら準備をした。溺死でないとナチにバレてしまうから。
この死体に架空の履歴を作り、家族構成や恋人まで演出した。どこから突っ込まれても実在の人物として疑われることがないようにするため。とにかく工作活動が面白すぎる。実際にこんなことをやってなんて、本当に凄いことだと思う。
ナチスを騙すための作戦を遂行しつつ、モンタギューと事務職員のジーンとの恋や、その二人に嫉妬するモンタギューの相棒との関係も面白い。もちろん最終的にはこの作戦は成功する。だけどハラハラドキドキの連続だった。いやぁ、面白かったなぁ。
ボクが最高に受けたのは、モンタギューの部下。作戦が成功するかどうかという緊張感で、ひたすらタイピングをしている男性がいた。モンタギューは「何を書いているんだ?」と尋ねる。
するとその男性は『スパイ小説を書いています」と答えた。その男性の名前はイアン・フレミング。なんと『007』シリーズの原作者だった。調べてみると、イアンは本当に諜報部に属していたらしい。実際にこの作戦に参加したかはわからないけれど、映画の設定としては粋な計らいだと思う。
『007は2度死ぬ』という作品は、この「ミンスミート作戦」がネタになっているのかもねwww
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