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高羽そらさんインタビュー

ガストンとの対話2 Vol.86

ガストンさん、先日FacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグさんが、保有株式の99%にあたる5兆5千億円を寄付することを発表しました。第一子である長女が生まれたことによるものです。私たちの想像をはるかに超えた規模ですね。

 

「アメリカの富裕層がこうした寄付をすることはよくある。規模の違いなど個人的なものだ。それほど驚くことでもあるまい」

 

その通りです。実は私も同じことを感じています。ただ気になったのは、それが極端な『美談』として報道されていることです。確かに素晴らしいことですよ。尊敬する行為です。財団を創設するので時間はかかりますが、この寄付によって救われる人が確実にいるでしょう。でも、そうした側面だけしか見ていないと、その『美談』だけを鵜呑みすることになります。

 

「単なる寄付行為ではない、ということだな」

 

穿った見方かもしれませんが、この寄付のもう一つの側面は節税です。税理士事務所で働いていた私のような人間には、ピンと来る方が多いはずです。アメリカの相続税は税率が高いので、相続資産の40%以上を納税しなくてはいけません。もしマークさんが亡くなったとすると、約2兆円の相続税が発生します。

 

「わはは、納税額も飛び抜けているな」

 

でも大量の保有株式を現金化することは不可能です。そんなことをすればFacebook全体の株価が暴落するでしょう。つまり2兆円という税金を納められない娘さんは、今のままでは破産してしまいます。

 

「それで相続税が課税されない寄付をするのだな」

 

そうです。財団を設立して、慈善行為に使われます。その財団の役員に娘さんを登記すれば、五兆円の利子だけでも年間に100億円以上は娘さんの手に残ります。役員報酬を取ることで生活の心配もなくなるでしょう。慈善をしている名誉を得ることもできます。娘を守るために、完璧に計算された寄付だということです。

 

「慈善に対する意思があったとしても、完全なる無私的行為ではない、ということだな」

 

批判しているのではありませんよ。それは富裕層が普通に考えることです。私がマークさんの立場なら、全く同じことをします。単純に娘へ財産を残すよりも、社会に還元できるので有意義です。娘を破産させることもありません。でもニュースで流れる情報は『美談』の部分だけです。どうも印象が操作されているような、違和感を持ってしまいます。現実にはいろいろな側面があることを忘れ、思考停止させられてしまいますね。

 

「それは大切な視点だな。人間は印象によってその後の行動を左右される生き物だ。他の側面に目を向けなくなってしまう。自分の外部からやってくる情報に印象を操作されることを許すようになると、自分の人生を変えてくれる重要な機会を見失う」

 

同じことを感じるテレビ番組の録画を昨晩に見ました。『モニタリング』という番組で、カラオケボックスで人を騙す企画がありました。怪奇現象が起きる設定です。ボックス内に盛り塩が置かれている段階で、この部屋はやばい、という印象を植え付けられています。店員が盛り塩を蹴とばすだけで、何かが起きると予感します。そうなると面白いように、何を仕掛けても怖がることになります。

 

「典型的な印象操作の例であろう。『恐怖』に取り憑かれている状態だ。正常な判断ができなくなる。印象に支配されている」

 

そういう意味では印象というのは怖いですね。私たち人間は、どうして印象に振り回されてしまうのでしょうか?

 

「それは今までここで何度も対話してきたことだ。だが大切なことなので繰り返そう。印象はどのようにして生じる? 初めて経験したことに、その後の行動を振り回させるような印象を持つであろうか?」

 

それはないですね。初めての出来事なら、それを把握することに集中します。

 

「つまり印象が人間の心に生じるのは、記憶があるからだ。過去に自分が経験した出来事。あるいは他人から聞かされた出来事。本で読んだこと。ネットで見たこと。そうした記憶がデータベース化されていて、印象を想起させる。そこから引き出されたイメージに振り回されるのだよ」

 

なるほど。例えば過去に大病を経験した人、あるいは身近にそういう人がいれば、それが記憶に残ります。全くその病気ではないのに、たまたま似た様な症状を自覚してしまうと、その病気の印象に支配されてしまう。その後の行動に大きく影響してしまいますね。

 

「そうだ。そして実際に発熱したり、痛みを感じたりもする。だが医者に行っても何も見つからない。それは印象が引き起こしたものだから当然だ。こうした印象を感じるのは、動物の本能でもある。印象がやってくるのを避けることはできない」

 

でも人間は、それが記憶からの情報だと自覚できないのですね。だから振り回されてしまう。今の自分のありのままを正確に見ることができない。

 

「何度でも言おう。過去に支配された意識が、常に未来への不安を生み出している。だから好まない印象を常にリサーチしている。小さなかけらでも、見つけようとしている。だがそれを現状の判断に利用するのではなく、『今』から遠ざかることに使ってしまっている。『自我』の罠にはまっているのだよ」

 

印象は利用できるものです。けれどもそれが目の前の出来事を正確に反映したものかどうか、チェックする機能が必要ですね。それでこそ印象を有効活用できる。そのためには、出来事にはあらゆる側面があることを常に自覚していくべきですね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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