今日のウィルバーくん 1.5
ここしばらくは究極の自己である「目撃者」を探すことにしています。ケン・ウィルバーの著作の特徴として、同じ内容を、全く言い方を変えて説明することがあります。そうすることで固定観念や先入観を排除し、新しい視点で理解を深めるためです。私はそう感じています。
話題にしている「目撃者」を「スピリット」と言い換えて説明している文章があります。少し長いですが、心に響く文章なので抜粋させていただきます。実際に本を手にして文章を読んでいる感覚で味わってみてください。
〜以下抜粋。
このページの単語を見ることができるだろうか? もしできるのであれば、あなたの眼を通して100%、「スピリット」は現前しているのである。この本を手に感じることができるだろうか? できるのであれば、「スピリット」は世界をその手に感じて、100%、現前しているのである。鳥の声を聞くことができるだろうか? そうであるのなら、「スピリット」は100%現前して、その鳥の声を聞いているのである。
あなたは「スピリット」を見つけることはできない。なぜなら見つけているのは「スピリット」だからである。「スピリット」を見ることはできない。なぜなら見ているのは「スピリット」だから。もしこのことが理解できるのなら、それは「スピリット」が理解しているのである。もしこのことが理解できないのであれば、それは「スピリット」が理解していないのである。理解していようといまいと、そこには、ただ、「スピリット」があるのみである。
それゆえに、驚くべき秘密、究極の真実にゆっくりと気が付き始める。悟りの心、純粋な「スピリット」それ自体は、獲得するのが難しいのではない。避け得ようのないものなのである。今、この文章を読んでいながら、どうして「スピリット」がない、などと言えるのだろうか。ビッグ・バン以前のあなたの「自己」を見せてほしい。そうすれば、わたしはあなたに全コスモスの「スピリット」を見せることができる。純粋な、時間のない、形のない「スピリット」を……あなたは……それ……なのである。
〜以上抜粋。ケン・ウィルバー著『ワールド・トレード・センターの脱構築』より
この文章と1月1日に書いた「目撃者」を説明した文章を比べていただくと、その違いと共通点が明確になるはずです。そしてやや違った角度から、「目撃者」について読み解くことができます。
これは聖者と称される人たちが、講話や著書で繰り返し使う技法です。同じ内容を違った例えや、違ったシチュエーションで説明します。新約聖書のキリストの言葉も、同じ方法が使われています。そうしたことに造詣の深いケンですから、彼の言葉もこのように様々な角度から発せられます。
ある文章を読んで理解できなくても、違った文章を読んだ時に何かを感じることがあります。他人を説得するなんて不可能で無駄な行為です。人は自分でしか変わることはできません。しかしこうして伝えるべきことにいくつかの選択肢を持たせていると、より多くの人が自分の変化のために役立ててくれるかもしれません。勝手な解釈ですが、私はそのような意図がケンにあるのでは、と感じています。
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