同性婚に向けた貴重な第一歩
昨日の海外ニュースにおいて、ローマ教皇がカトリック教会として同性婚を認めないことを表明した。これを受けて同性愛者であるエルトン・ジョンが抗議の声をあげている。
欧米では同性婚が法的に認められている地域が増加しつつある。だけど昨日のローマ教皇の発言は、まだまだLGBTへの理解が進んでいないことが明らかになった。これは宗教上の教義にも影響するので、乗り越えるのはかなり難しい壁だと思う。
そこで日本に目を向けると、同性婚に関して欧米よりさらに遅れている感は否めない。一部の自治体でルール変更がなされている程度。だけど昨日、同性婚に関する訴訟で画期的な判決が出た。
同性婚認めないのは違憲の初判断 国への賠償は退ける 札幌地裁
同性婚を認めないのは憲法に反するとして、各地で集団訴訟が提起されている。その第一弾が札幌地方裁判所の判決。
民法が同性婚を認めないのは違憲、というもの。これはすごい、日本にすれば画期的な判決だろう。ただし賠償については棄却されている。
この裁判で注目されたのは憲法24条の解釈。
「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」
これについては違憲とは認められないと判断された。この条文に関するものは異性の婚姻を想定されているので、民法がそれを認めないことは問題ないということだろう。そもそも憲法が起草されたときは、同性婚を想定することがあり得ない時代だったということ。
今回の判決で違憲とされたのは憲法14条に関して。
「すべての国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分、または門地によって、政治的、経済的、または社会的関係において差別されない」
この条文に当てはめると、同性婚を認めないのは違憲だという判断。これはナイスジョブだと思う。高裁や最高裁でひっくり返される可能性はあるけれど、とりあえずは貴重な第一歩なのはまちがいない。
リンク先の記事にも紹介されているとおり、同性婚に対する日本の態度はかなりあいまい。浮気が原因で同性婚を解消した場合、慰謝料請求に関して正式な婚姻と同じように認める判決が出ている。
別のケースでは、台湾人の男性が不法滞在で国外退去命令を受けた。だけど日本人男性のパートナーがいると主張したことで、在留特部許可が出されている。つまり実質的な婚姻関係を認めたということ。
その一方で、同居していたパートナーが殺害された件に関して、普通の夫婦なら支給される給付金が出ないという事例もある。とにかく行政の対応がまちまちで、統一されたものになっていない。
世界的な現状を考えたら、同性婚は容認していく方向になるはず。今回の裁判をきっかけにして、民法改正にまで踏み込めたらいいなと思う。愛し合う人たちが異性であれ同性であれ、同じ権利を有しているのが当然だと思う。
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