群衆が暴徒になる瞬間
スーダンの激しい内戦によって、自国民を救うために各国政府が動いている。日本人を救うために自衛隊は出動したし、すでにフランス空軍やトルコ政府によって日本人が救出されている。ネットでの情報によると、残る日本人は6人ほどとのこと。
内戦中であるスーダンの軍隊は、自国民の救助に来たフランス軍等にも発砲したというニュースを見た。だどすれば自衛隊が戦闘に巻き込まれる可能性もある。少しでも早く外国人の退避が完了することを願うしかない。最も気の毒なのはスーダンの一般市民だけれど。
人間は個人でも暴力的な面を見せることがある。だけど大勢の人が寄り集まって群衆となったとき、そこから発生する暴力は恐ろしい。戦闘中の兵士たちというのは、おそらくそれと同じような心理状態になっている気がする。
戦争ではないけれど、群衆が暴徒となった事件が起きている。映像を見ると、群集心理の怖さを改めて思い知らされた。
100人以上の暴徒がコンビニを襲撃し商品を強奪。大規模化するアメリカのフラッシュロブ
少し前にフラッシュモブというものが流行した。公共の場でいきなりダンスを始めるというようなパフォーマンスで、見ている限りはとても楽しい気持ちになれる。ところがアメリカでは、そのフラッシュモブの名を借りたフラッシュロブと呼ばれる事件が多発しているそう。ロブとは強盗。
リンク先の記事によると、今月の9日にカリフォルニア州のコンプトンのコンビニが暴徒の強奪を受けた。100人以上の若者が自動車で集まり大騒ぎ。やがてその勢いのままコンビニの前に集まって、店内の商品や現金を奪ったという事件。
店員はトイレに隠れていたので怪我はなかったそう。だけどお店にすればたまらない。コンプトンの警察も100人の暴徒には対処できなかったらしい。警察官の人数には限りがあるし、暴徒は銃を持っている可能性が高い。軍隊を派遣しなければ対応できないだろう。
こんなことがまかり通るなんて、住民にすれば怒りよりも恐怖が先に立つはず。100人もの人間が暴れていたら、スーパーマンやスパイダーマンでさえ苦戦すると思う。ましてや普通の一般市民には手の出しようがない。
群衆が暴徒になる瞬間というのは、おそらく無責任な誰かの一言なんだろう。「コンビニを襲おう」と冗談で言っても、集団心理が働くと理性の制御が効かなくなってしまう。大勢の中の一人ということで、犯罪に対する責任感も希薄になる。そうなったら誰にも止められないだろう。
こんな事件が続発すれば、行政としては州軍の派遣を要請するしかない。暴力を抑えるのに、より強い暴力を行使する。これしか対処法がないとしても、そこには未知の危険が孕んでいる。全体主義というのは、こうした暴徒を抑え込むことから始まる。軍隊を動かす大義名分となるから。
軍隊の派遣が常態化する前に対処法を検討しないと、暴徒以上に恐ろしい世界が待っているという不安を覚える。若者たちがなぜ暴れるのか? その理由と対応策を本気で検討しないと、取り返しのつかないことになってしまう気がする。
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